古代へのロマンを「いにしえの踪跡」というタイト
ルに託して挑んだ今回の企画ですが、準備を進め る中でメンバー一同、古代遺物を展示することの 難しさを痛感しました。試行錯誤の末、貴重な資 料は写真紹介にとどめ、以前から再現を試みてき
た「製塩土器による塩づくり」のプロセスをメイン にディスプレイし、化石類については可能な限り 現物を展示。いよいよ島民展が幕を開けたのです が、訪れた人々は製塩法の展示を見て口々に「これ
は何?」と言うではありませんか。無理もありま せん。現代人にとって塩は純白のもので、しかも いつでもお店で買えるのですから。けれども古代 の人々は数ヵ月の期間を費やして塩を手に入れて
いたのです。古代の佐久島で行われていた土器や 塩づくりについて説明すると、どなたもあらため て興味深げにディスプレイを見ておられました。 訪れた人も企画した私たちも、物の大切さやあり
がたみを再認識させられる展示になったと思いま す。今後は古代製塩法をより多くの人に実際に体 験していただけるように準備し、10月8日の「ネイ チャーハイクin佐久島」をはじめ、機会あるごと
に実践していきたいと、意欲を新たにしています。 |
▲▼古代製塩法の説明と、製塩に使われた土器の 作り方、および再現された土器の展示。
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